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おざっちの笛吹き日記

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八幡堀を漕ぐ

京の都と近江八幡を結ぶ水運のために整備されたと言われる「八幡堀」。映画のロケにも使われ、最近は観光地としてたくさんの人びとが訪れる。売り上げ全国一を誇る「たねや・クラブハリエ」も出店し、まる一日楽しめるスポットとなった。
この八幡堀をカヌーで行ってみよう、というツアーに参加してきた。さらには「ヨシ」が両側を覆う水郷も漕いで一周すれば、ディープな近江の旅となる。
主催はレイクポイントというカヌークラブ。ボクは飛び入りで参加という立場だ。水郷は何度も漕いだことがあったが、八幡堀は地上からは訪れたことがあるものの、水上からはまったくの初めて。ワクワクの当日を迎えた。


長命寺港に集合したのは4人。いずれもカヌーは漕ぎ慣れた方々。大津はしぐれていたものの、こちらは晴れていた。しかし寒い。
ヨットや漁船が係留された小さな港にカヌーを浮かべ、そろりと漕ぎ出した。すぐに港の外に出、太陽が反射するサンシャイン・ロードの中を行く。水門をくぐり、水路に漕ぎ入る。ボクは久々のカヌーで新鮮な面白さを感ずる。が、しばらくすると、藻がびっしりと生えたエリアに入った。漕ぐというよりも、かき分けていく、という感じだ。今年の猛暑で繁殖した藻で、その上を滑るように進む。ススキが逆光に映えて美しい。


お寺の角を曲がり、八幡の中心部へと漕いでいく。すると行く手に落差のある小さな堰が現れ、カヌーを陸から搬送することとなった。再乗艇し、クランク状になった堀を漕ぐ。さらに進んで行くと見覚えのある八幡堀へと出た。かつての汚い水路というイメージはかなり改善され、臭みはまったくなかった。
時計を見るとジャスト12時。ここでお昼にすることに。豪華なランチを堪能したあとは、近くのたねやで和菓子を買い出ししデザートにした。目の前には静かな堀があり、団体観光客が散策している。時折晴れ間から日の光が射し、カヌーを枕に昼寝をしてしまいそうだった。なんと静かで贅沢な時間。


再びカヌーに乗り、観光客が一番多いエリアを漕いで行く。写真にもよく出てくる蔵の並ぶエリアから瓦ミュージアムの横を通る。この時期、様々な花も咲いており、低い目線から鑑賞しながら水面を行くすばらしさに時を忘れる。


やがて前方にいくら身を低くしても通り抜けることができない小さな橋が現れ、Tさんが上陸し、この橋を持ち上げている間に我々が通り抜けることにした。こんなことが楽しくて仕方がない。
そしてさらに我々の前に立ちふさがったのが「八幡水門」であった。これはパナマ運河と同じ原理で、スイッチを押すことで、ふたつの水門に挟まれた水面を上下させ、フネを通すというもの。
さっそくスイッチを押すと5分後くらいに手前のゲートがゆっくりと開いた。全員この中に入り、またまたスイッチを押すと少し水面が下がり、ふたつ目のゲートが開いた。そして琵琶湖側の水面へと出た。


ここが手漕ぎ舟の遊舟乗り場になっていた。あいさつを交わしながら、先を急ぐ。「ヨシ」が両側に生い茂る水路を行く。遠くには真っ白に化粧した伊吹山も見える。突然飛び立つ大きな水鳥。サワサワと秋の風がヨシを揺らす。今日のボクはカヤックを持ってきたので、ドシンと水の上に座って景色を楽しんでいる風情。次々に移り変わる初冬の景色を楽しむ。


長命寺川に出、すっかり傾いたオレンジの夕日に向かってツーリングの最後を楽しんだ。
八幡堀を漕ぐ_f0156359_2124131.jpg

by ozawa-sh | 2007-11-23 21:02