2018年 04月 16日
アベルのフルート
以前に所属していたフルートアンサンブルで、一緒に低音を担当していたジョンの突然の訃報に驚いた。昨年の五月、ボクが退団するときは元気だったのだが、同じメンバーの人の話によると、あれから練習でも疲れやすくなってきていたらしい。彼はコントラバスフルートを担当し、ボクはいつも横でバスを吹いていた。「マウンテンバイクを買ったよ。どこか良いコースはないか?」と、練習の合間に自転車談義したものだ。
ジョンは、コタトのコントラを吹いていたが、持っていたコンサートフルートは、「アベル」というアメリカのメーカーのもの。グラナディッラ製の木管フルートで、一度吹かせてもらったことがあるけど、素晴らしい音がして、その時はほんとに欲しくなってしまった。黒い管体を連結する銀のジョイントが印象的なフルートだ。金属のフルートにはない暖かい音色に、吹いている自分がウットリするぐらいだった。いつぞやの発表会では、彼とテレマンのデュエットをやったことがあるが、その時もアベルを使っていた。
亡くなったことがまだ信じられない思いだが、あのアベルの音色と供にジョンを懐かしく思い出す。
by ozawa-sh
| 2018-04-16 23:46