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おざっちの笛吹き日記

ozatti.exblog.jp

一冊の本

京都芸大の教授であり、自らもフルーティストである、大嶋義実さんの著書が面白かった。「音楽力が高まる17の『なに?』」。音楽についての深い洞察と、面白い話が満載された内容は、最後まで飽きることなく読むことができた。
クラシック音楽を聴くことが、なんとなく「お堅いこと」とされる風潮は、ナゼ今も残っているのか?それはベルリンフィルの常任指揮者だった、ハンス・フォン・ビューローが、それまで音楽が単なる耳の快楽としか考えられていなかったことを、「芸術作品」として鑑賞することを求めたあたりに源を発するとしている。
彼は、ベートーヴェンの第九を二回も演奏し、しかも途中で客が逃げてしまわないように、なんと扉に鍵をかけたそうだ。曲を理解するまでは帰さないという徹底したこだわりだった。「かしこまってクラシックを音楽を拝聴する」という態度は、ビューローによって完成されたのだ。とか、、、、

また、こんなことも書いている。
人が音楽を演奏するのではなく、音楽が人に演奏させる時、その時音楽は初めて音楽となる、、、、。
う~む、この一文を何度も読んでいると、なんか分かった気になるぞ。

他にも、「調性」の話、「エチュード」の話など、筆者ならではのうがった文章がとっても面白い。(KYODO-MUSIK \1500)
音楽力が高まるかどうかは知らないけど、是非ご一読をオススメする。
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by ozawa-sh | 2018-03-10 09:53