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おざっちの笛吹き日記

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やっと会えたね ~和束の茶畑を行く~

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京都府には「景観資産」という制度?があり、その第一号となったのが、本日訪れた「和束」である。言わずと知れた茶処であるが、傾斜地に作られた茶畑だけあって、アップダウンが次々に現れ、初心者が自転車で走るにはなかなか厳しいものがある。しかし、一度高度を上げれば、しばらくは茶畑の中を縫うようにして続く道があり、景観資産になった理由も深く納得することができるだろう。
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コースの途中には、絶壁に彫られた磨崖仏があるのだが、木津へ行く府道として、過去に何度となく通った車窓からチラッと瞬間見られるだけで、40年の間、「近くで見たいなあ」とずっと思い続けてきた仏さんなんである。今日は遂にその磨崖仏にも会うことができたというわけだ。
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スタート地点は、「山甚カフェ」。ここで情報を得ようと思っていたのだが、水曜日はあいにくの休み。ここに車を置かせてもらい、自転車を降ろすことにした。目の前には「安積(あさか)親王」の古墳が。
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聖武天皇の第五皇子と説明にある。平城京・恭仁京と紫香楽宮とを結ぶこの街道を愛した皇子であったのだとか。古墳は途中まで茶畑になっているが、以前景色の良い頂上に登ったことがある。
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地図を片手に、「釜塚の茶畑」を目指す。「正法寺」「実相寺」と、ランドマークをクリアしていき、居酒屋「とんぼ」に到着。手持ちの地図にちゃんと描いてある(笑)。しかしここまでややこしい道で、早くも何度も迷う。
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ここからコースをはずれ、「八坂の大杉」を見るために急坂を上る。樹齢1300年以上らしく、存在感抜群の杉だ。すぐ横の茶畑で仕事していたオバチャンとしばしおしゃべり。
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ここからが道がさらにややこしく、あっちこっちへ迷いに迷った。ちょっとした細い脇道がコースになっていて、非常に分かりにくいのだ。
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しばしノンビリした農道を走れば、「和束天満宮」に出た。ここは知っているところなので、とりあえずホッとする。
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近くの交差点にある「中尾園」には様々な農産物が売られており、今の時期はタケノコなどが並ぶ。
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先へ進む。これまた茶畑の中の急坂を越えると、「極楽寺」。誰もいない境内で、住職さんが草取りをしていたので、話しかけしばし歓談。二年前に建て替えたとかで、なるほど使ってある木材が新しい。ここで持ってきたオニギリをほおばり、しばしウグイスの声を聴きながら休憩する。たった一日でも、すっかり旅気分のボク。周囲はタンポポがたくさん咲いている。
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再び古墳まで戻り、ここから西へと走ることにする。天気が徐々に回復してきて、半袖半パンになりたい気分だった。細い道をたどる。しかし事前にグーグルストリートで道の様子を確認してあったので、心配なく進むことができる。こんな田舎道にもグーグルが来たのかと驚く。
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やがて「石寺」の眺望が広がってくる。山の中腹に続く茶畑の景色がすばらしい。もうすぐ新茶の摘み取りの季節となるのだが、キッチリと刈り取られたお茶は、まさに日本人そのもののような気がした。

川沿いの桜並木を行くと、和菓子とパンを売る「石田長栄堂」という店がある。こんなところで良く営業できるなあと思い、自転車をとめてフラリと入ってみた。気さくなオバチャンがおり、柏餅などいくつかの和菓子を注文し、店の中のイスに座っていただいた。美味しいお茶も出してくれ、オバチャンと色々歓談。最後にお金を払おうとしたら、「160円です。」と言われ、思わず聞き返してしまった。あれだけ色々美味しい和菓子を食べたのに、たったそれだけ!?次に来たら、また寄ってみたくなるお店だった。途中、「森田城跡」の看板に惹かれ、自転車を置いて山を登っていった。山道の入り口のオッチャンの話では、「5分くらい」とのことだったが、なんのなんの、30分はかかってしまった。メチャクチャの急坂で、引き返して下りる時は道に手をついていかないと滑りそうなくらい急だった。
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山道を走り、和束川沿いの弥勒磨崖仏へと急ぐ。途中の景観も素晴らしく、絶対にまた来たいと思った。
最後は歩いてその磨崖仏の元へ。「ああ、やっと会えたね」と独り言、、、。40年間想い続けてきた恋人に会った気分(笑)。
鎌倉時代後期に像立された磨崖仏とか。この一帯では、「長井の弥勒さん」と呼ばれているらしい。
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府道を渡ったところに、こんな変わった石塔が。なんの説明もないので、これがなんなのかは不明だが、とにかくかなり古いことは確か。このあたりには本当にたくさんの遺物が残されている。
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坂を下り、再び正法寺に。そして車のところに戻った。
和束、、、まだまだ面白そうなところがありそうで、再び訪れてみたいと思った。
by ozawa-sh | 2014-04-30 20:26