人気ブログランキング | 話題のタグを見る

おざっちの笛吹き日記

ozatti.exblog.jp

当尾の里を歩く

当尾の里を歩く_f0156359_20453053.jpg

京都と奈良の中間あたりにあるのが、当尾(とうの)の里。ここには「岩船寺」、「浄瑠璃寺」といった古刹があり、この二寺を結ぶ道、またその周辺の道が、楽しいハイキングコースになっている。路傍には奈良・平安時代の石仏がさりげなく祀られていて、道行く旅人に優しいまなざしを送っている。

会社の同じ大学を卒業した先輩を中心に、春夏の年に二回、ハイキングを行っているのだが、今回はこの当尾を歩くことにした。紅葉の時期に予定していたのだが、雨で順延となり、今日となった次第。しかし今日は非常に寒い一日となり、厚着してのウォーキングとなった。

石山駅で一人、加茂駅でさらに一人をピックアップ。少し走って、山の中へと入っていくと、岩船寺の山門前に至る。駐車場に停め、準備する。来る途中には「3度」という表示があったが、車を降りるとさらに気温が下がっているような気がする。今年の秋は短かった。
早速、岩船寺を参拝することに。山門前には岩をくり抜いた「湯船」があり、昔寺の僧が身を浄めた跡なんだとか。洗うための湯船ではないらしい。山門をくぐると、正面に三重の塔がある。小さな塔だが朱塗りの美しいもの。本殿の中には阿弥陀如来像、その脇には白像に乗った菩薩像が。お坊さんの説明をしばし聞く。しんしんと冷える本堂の中。
当尾の里を歩く_f0156359_20461823.jpg

寺を出て、いよいよハイキングコースを歩く。サクサクと落ち葉を踏みながら歩く。道の脇には地蔵さんや磨崖仏が点々とあって面白い。ゆるい坂を下ったところにあったのが、「笑い仏」。岩全体が少し傾き、それがかえって仏の表情に柔らかさを与えているように思えた。
次々に現れる路傍の仏たち。カメラで撮りまくる二人の先輩。どうやら、こういうのが好きらしい。案内できてよかた。
当尾の里を歩く_f0156359_20463615.jpg

車道を歩いていくと、やがて今日の目的地である「浄瑠璃寺」が見えてくる。拝観料を払い、堂内に入る。ここには有名な「九体阿弥陀如来像」が座しておられる。国宝。普通、阿弥陀というのは西を向いているのが普通だが、ここのは東を向いているのが特徴。阿弥陀如来中尊像を中心に、九体の金色の仏が並ぶ様はすばらしくカッコいい。
当尾の里を歩く_f0156359_20471633.jpg

門前の食堂でお昼とする。寒くて、外で食べる気がしない。しばし休憩。
再び歩き出す。やはり途中に現れるたくさんの石仏たち。800年以上の時を経て我々に語りかけてくる。やがて上り基調となり、道端の野菜売り場などをひやかしながら岩船寺へと歩く。
冬のキリっと締まった山里の空気を感じながら歩いた、約10キロのハイキングコース。
さて、春にはどこへ行こうかな。
当尾の里を歩く_f0156359_20473792.jpg

by ozawa-sh | 2012-12-09 20:48