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おざっちの笛吹き日記

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終わったあとは、なんだか寂しい。

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琵琶湖の北部、知内浜水泳場で行われた「カヌーで遊ぼう in びわ湖」。障がい者の人たちに一日カヌーで遊んでもらおう、というイベントだが、今年も家から自転車で行くことにした。
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朝6時にスタート、まずは湖東のサイクリングロードを走り、琵琶湖大橋まで行く。途中の烏丸半島には、今や盛りとたくさんのピンク色のハスの花が咲いていた。橋を渡り、今度は湖西側を北上する。国道を通らず、裏道ばかりを選んで走る。レンガ色の専用道があるのだが、だ~れも走っていない道が一直線に伸びており、気持ちよく走ることができる。
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蓬莱、北小松などを過ぎ、ハンドルに取り付けた時計を見ると、早くも8時。ここまでノンストップで走り、多少疲れてきた。日が高くなり、日差しがきつくなって、一層疲労が増してくる。でも、帰りは輪行して電車で帰る予定なので、片道だけ頑張ればいいのだと思い、脚を回す。ドリンクを飲み、水をかけて体を冷やしながら走る。
高島を抜ければ、知内浜オートキャンプ場に到着。丁度2時間半かかった。80キロの行程。
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湖岸へ出てみると、すでに夕べから泊まり込みのスタッフが、浜にカヌーを出したりして準備していた。皆、昔からのカヌー仲間で気心しれた連中だ。ボクも、シューズをスリッパに履き替え、手伝う。

しばらくすると、障がい者とその付添いの人たちがやってきて、浜が賑やかになった。昨年も参加してくれた人たちもいて、懐かしい。中でもショータはボクの顔を覚えてくれていて、一段と体が大きくなっていた。各自準備できた人たちからカヌーに乗ってもらう。ボクも二人乗りのカヌーの前にショータを乗せ、少し沖に漕ぎ出してみた。言葉を断片的に言うのだが、意味がよく分からない。常に浜に立っている父親の姿を探しており、沖に出た後は、すぐに浜へ戻るようにした。「竹生島へ漕いでいこか!?」と言うと、「ウヒャー!」と奇声を上げて笑いながら前で手を左右に振る。ちゃんと恐いことなんだと認識しているようだ。知的障がい者の場合、どこまで理解してくれているのか、最初は分からないが、次第に分かってきて対応できるようになってくる。とにかくカヌーという、日ごろ経験できないことをする時は、すごく興奮するみたいだ。
ボクも普段はあまりこういう障がい者と接することがないのだが、ショータのような天真爛漫な少年に、自分自身がすごく元気をもらうことができたような気がする。
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車いすの障がい者は、何人かで持ち上げ、シートに座らせるようにする。いったん乗ってしまうと、水面を自由に動けるので楽しそうだ。休憩しながら何度も乗りたがる。

昼食は焼肉。ボクも腹が減り、たくさん食べた。
午後からもイベントが続く。この日の琵琶湖は波が穏やかで、いかにも夏!という空が広がり、対岸の海津大崎や竹生島もクッキリ見えている。こんなコンディションでカヌーを楽しんでもらえて良かった。
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帰る時間が迫り、皆にあいさつして一足早く会場を去ることにした。ショータはじっと琵琶湖の方を見ていた。「ショータ、来年もきっと会おうな!」と心の中でつぶやき、自転車にまたがった。
人気の全くないマキノ駅で自転車を分解し、輪行バッグに入れる。
セミしぐれのホームで、1時間に1本の電車を待つ。
ショータの笑顔が思い出されて、ちょっと寂しい夏の午後だった。
by ozawa-sh | 2011-08-04 22:40