演奏旅行

いつかはやってみたいと思っていた「演奏旅行」。楽器を持って、世界中を飛び回るなんて素敵じゃない!?などと瞳に星を宿らせて夢見るオジサンだったのだが、今回そんな夢がかなう時が来た。ただし行き先は東京の日野市。「世界中」というのはまだちと早かった(笑)。

きっかけは、いつもピアノで伴奏していただいているKさんの実家が日野にあり、毎年ここの市民ホールで演奏しているというご縁があったことから。今年は是非ボクのフルート演奏で、ということになったわけである。音大も出ていないようなペラペラの素人フルーティストが、日野と言えども東京のホールで演奏するなんて大層な!と最初は思っていたのだが、Kさんの「以前合わせたことがある曲目でいきましょう。時間も30分ぐらいのロビーコンサートですから」のひと言に、引き受ける決心をした。

事前に東大阪のKさんの家に二度ほど行き、曲目や進行について打ち合わせを行った。前半はクラシック、後半は童謡で行くことになった。聴きに来てくれるお客さんはほとんどが高齢者ということで、こういう選曲となった。

新幹線と宿がセットになった割安チケットを購入し、コンサート前日の金曜日に東京入り。中央線で日野へ向かう。東京駅から日野まで、これが結構遠い。約一時間。駅から歩いて20分。これがかなり急な坂道の連続、しかも猛暑の中、ズッシリ重たい荷物をさげての苦行だった。

ホールに到着するとすでにKさんは来ており、ピアノを弾いていた。1900年代初頭のドイツ製のアップライトピアノで、Kさんが言うには、「音がポツッ・ポツッと切れる感じで、慣れるのに時間がかかるんです」ということだった。ボクも早速音出しをする。ロビーは3階までが吹き抜けの、非常に響きが良い空間で、遠くまで音が飛んでいく感じ。吹いていて気持ちいい。
ひと通り練習し、ホールの職員の方と明日の打ち合わせをしてその日は終了。猛暑の中、再び駅まで歩き、宿のある亀戸まで行った。

狭い部屋のビジネスホテル。さて夕飯はなににしようかなと、町をウロウロする。で、結局は回転寿司にすることにしたのだが、なんだか変な店で、寿司が流れてくるレーン?が8mぐらいのこじんまりした店。しかも、マグロばっかり流れてきて、他の寿司を食いたいときは、レーンの真ん中で鉢巻をしているオヤジに、「サーモン!」と大きな声で言わねばならない。しかも、モノによってそれぞれ値段が違うという、普通の寿司屋と変わりないシステム。まあ安かったし、美味かったけど。

さて、狭い部屋で一泊し、いよいよ本番当日。ホテルの窓から、てっぺんが雲にかくれたスカイツリーが見える。再び長い旅路の中央線に乗って日野へ、いざ決戦の旅立ち。ウ~ム、これこそが「演奏旅行」の醍醐味!
しかし、生憎の土砂降りの雨。傘を差していたものの、駅からホールに着くまでに荷物やクツも濡れてしまった。そのクツが、なんと靴底がはがれかけており、靴下まで濡れてしまった。帰ったら買い替えだな。
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張り切り過ぎて早く着いてしまった。早速音出しして調子を見る。うん、今日も良い音してる。そこへKさんも到着し、最後の練習。すでにお客さんがイスに座り、練習を聴いている。拍手までしてくれるから早くも緊張してしまう。
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昼過ぎとなり、いよいよ開演時間となる。こんな豪雨にもかかわらず、ほぼ満席、といっても30名ぐらいだが。ホールのスタッフから二人の紹介。「滋賀県からお見えのオザワさんです。カヌーとトライアスロンがご趣味で、フルートは趣味でなさっておられるのですが、美しい音で演奏されます。」、、、ウウム、美しい音かどうかは、今から演奏してみないと、その日によって違うからなあ、、などどひとり突っ込みを入れたりして(笑)

まずはバッハのシチリアーノから。Kさんとアイコンタクトし、最初のレの一音を出す。あ~緊張するなあ。
ピ~、、、うん、まずまずかなと頭の中で思いながら適度にビブラートをかけ演奏していく。
なんとか無事終了。ここでボクが簡単な解説を入れ、次も同じバッハのフルートソナタを演奏する。繰り返しを忘れないように!しかし途中で指が転んでしまいガク~!練習では一度も間違えたことなかったのに。でも気を取り直して、次の曲にかかる。パラディスのシシリエンヌだ。途中、長く伸ばす音で息切れしてしまい、とるべきでないところでブレスしてしまったのが失敗。
さらにモーツァルトのフルート四重奏を演奏。まあこれは良く吹けた。音が天井高く響いているのが自分でも感じることができた。しかし客席を見るゆとりはまだない。

ここでKさんのピアノ独奏が入り、後半は童謡。聴衆もやはり白髪まじりの方がほとんどで、こういう場では童謡が受けるのだ。「シャボン玉」「雨降りお月さん」を演奏し、次は「みかんの花咲く丘」。しかしここでハプニング!なんと途中でピアノが止まってしまったのだ。原因はピアノ楽譜が途中から違う曲になっていたんだとか。ボクは演奏を続けながら、「ヤバ~、やり直しもかっこ悪いし、どうしよう!?」とあせる。Kさんももちろんあせっていたようで、それでも適当に和音で合わせて着いてくる。さすが音大出。で、途中からめでたく合流し、無事フィナーレを迎えた。なんともスリリングな旅となった。
さらに木曽節の変奏曲を演奏し、聴衆と一緒に「夕焼け小焼け」を歌って終了となった。最後の一音まで来たときには、心底ホッとした。

ホールの外に出ると、まだ強い雨が降っていた。昔の武蔵野の面影を残す雑木林が、ザワザワと揺れ、ボクは靴底を引きずりながら駅への坂を下っていった。
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by ozawa-sh | 2016-08-28 11:06 | Comments(2)

オリンピック考

連日報道されている、リオオリンピック。普段はスポーツ中継というものを全く見ない自分なのだが、オリンピックは楽しく見ている。国の威信をかけたこのイベント、やっぱり面白い。そして日本選手やチームが負けるとやっぱり悔しい。生まれてこのかた、知らない間にこういう愛国心が自分の中で育ち、こんなときにふと顔を出すのだろう。

一番感動するのは、いままでメダルが取れなかった種目で初のメダルをとったときだろう。日本人が前人未到の高みに登った、ということの時代の目撃者になったという興奮がある。ボクが以前やっていたカヌースラロームでも、今回初の銅メダルをとった。ヨーロッパ勢の足元にも及ばなかったこの種目で、世界のトップスリーに入ったという感動。本人も泣いていたが、ボクも思わずウルウルきたものだ。

それにしても、原点に帰って考えてみると、スポーツなんて本来は健康維持とか、ゲームを楽しむためにやるものなのだが、それがいつの間にか競うためのものになってきた。もちろん毎朝歩いて健康維持、ということは広く行われているのだが。
なぜに競う必要があるのかと問われれば、答えに困るのだが、やはり人間の持っている闘争本能に基づいたもの、としか答えようがない。闘争本能こそが人類の進化に寄与したものだし、もしこの本能がなければこの社会もどうなっていたのか分からない。反面、戦争など悪い面も生み出してきたのは事実であるが。

陸上の100mなんかを見てて思うのは、明らかに人種的な差が最初からあるなあということ。それを同じ舞台で競うのは、最初からハンディを背負っているようなもの。これはもう永久に日本人にチャンスはないように思われる。それでも、柔道なんかは人種の差を感じさせない日本人選手の活躍。でも、この種目だけは歴史的な積み重ねがあるし、重量別になっているから、チャンスはある。卓球やバドミントンなど、道具を使うスポーツなら、直接からだをぶつけ合うスポーツではないから、今後とも上位を狙えるだろう。となると、自転車競技にも大いにチャンスはある。

種目ごとにそれぞれ思うことがあるが、とにかくオリンピックという大舞台に立つこと自体、大変なことだなあということ。国内予選のときにたまたま調子悪くて、本番に出られなかった人もいることだろう。スポーツをやる者にとって、ひとつの目標になるオリンピック。やはり観る値打ちのあるイベントだと思う。
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by ozawa-sh | 2016-08-18 21:15 | Comments(0)

戦記

終戦記念日が近いからってわけじゃないけど、今日は図書館で借りたある戦記を読んでいた。トレーニングもジムがお盆休みに入っていて、完全オフなので。
本は、ガダルカナルとインパールの両方の戦いから生還した方で、それぞれがあまりに悲惨な戦いだったことが分かる。まさに最前線で戦った兵士の手記だから、ヘタな戦争ものの映画を見るより迫力がある。まさに地獄のような経験が、淡々と綴られているのだが、実際にあった事だというだけで、読む者に迫ってくる。そして、現在の平凡な生活が、平和が、いかに大切なものであるのかを痛感させられる。
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by ozawa-sh | 2016-08-13 20:48 | Comments(0)

図書館でまったり

こう暑いと、クーラー無しではやってられないけど、電気代がもったいない。というわけでよく利用するのが図書館。県立は蔵書も多いし広いのだが、混んでいるので、ボクは市立図書館の分館へよく行く。しっかり冷房が効いていて、すいている。
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今日はたまたま手にとった石原慎太郎の「老いてこそ人生」という本を読み始めたら、とまらなくなった。しかも、耳鳴りに悩まされて、、、という下りがあり、ますます読み耽ってしまった。都知事時代は、なにかと問題発言もあった人だが、こうして著書を読むとなかなか面白い人物であると思った。

他に三冊ほどの本を借り、外に出ると、来たときよりさらに気温が上がり、自転車のサドルが焼けるように熱くなっていた。来た道ではなく、瀬田川沿いの舗道を走って帰ることにした。この道はすごく快適なんだけど、ただひとつ欠陥がある。それは、写真のようなゲートが要所要所に設けてあり、車が入れなくしてあるのだが、問題はその幅で、ご覧のようにハンドル幅より狭くなっているのだ。ボクのはクロスバイクなのだが、見ているとママチャリの人もすんなり通らずにつかえている。これを設計した人間のセンスというのか、無知を恨むしかない。もちろん自転車も通っていいことになっているのに。見ると、たくさんのキズがついていて、やはりここを通る自転車が無理に通っていることを証明している?。わざわざ金をかけてなんでこんな不恰好なものを設置したんだろうねえ。改善してもらいたいものだ。
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by ozawa-sh | 2016-08-09 21:45 | Comments(0)

カヌーで遊ぼう イン びわ湖 2016

「カヌーで遊ぼう イン びわ湖」のお手伝いに行ってきた。障がい者のためのカヌー体験なのだが、今年もびわ湖の北、知内浜で行われた。毎年、自転車で行き、帰りは輪行で帰ってくるのだが、今年もそのパターンで行ってきた。昨年は、レーパンが濡れたまま電車に乗り、座席が濡れるといけないので、大津京駅まで立ったまま。疲れていたので、ヒザがガクっとしてしまうことも(笑)。その教訓?を生かし、今年はカヌー用のウェアを用意。準備万端で家を出た。
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湖東側を北上し、今話題の烏丸半島のハスの咲き具合を確認した。確かに例年のように、一面には咲いておらず、岸にほんの申しわけ程度に咲いているだけだった。琵琶湖大橋を渡り、県道558号線(旧国道161号線)をさらに北上する。ボクはできるだけ交通量の多い車道を走らないようにしているのだが、今日は車が少なく安心して走ることができた。蓬莱からは浜側の旧道を走る。細い道だが、趣のある好きな道である。

やがて風車村の前を通り、今津から現地の知内浜キャンプ場に到着。77キロ、2時間40分の道のりだった。さして暑くなかったので、比較的楽に走ることができた。
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行くと、夕べからの泊まり組スタッフがスタンバイしており、浜にはすでにカヌーが並べられていた。本当はカヌーを持ってきて、最後に片付けることが一番大変なのだが、ボクはなかなか前夜から行くことができずにいる。
やがて、参加者が家族などと共に到着し始めた。障がい者といっても色々な方がいて、それぞれに合わせてカヌーに乗せていく。ひとりで乗れる人もいれば、まったく漕げない人もいる。でも、水の上に出ると、皆楽しそうな表情をする。この笑顔こそが毎年開催する動機になっている。
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今日は波・風とも穏やかで、絶好のカヌー日和。次々に水の上がにぎやかになっていく。しかし暑い。セミも大合唱だ。毎年来るショウタも来た。ボクの顔を見るなり、指を差してニッコリしてくれる。二人乗りのカヌーで沖に出てみる。パドリングを合わせるとスピードが出るので、大喜び。ボクが後を漕いだのだが、なんだか可愛くていじらしい気持ちになる。

昼はバーベキュー。四つのコンロがフル稼働。参加者の箸もすすむ。ボクもたくさん食べて、腹一杯になった。
午後も次々にカヌーに乗せ、あたりを漕ぎ回る。竹生島が霞んで見える。
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やがて時間となり、ボクはひと足先にマキノ駅へと自転車を走らせた。ガランとした駅前で自転車をバラして輪行袋に収め、改札を通ってホームに上がった。電車を待っていると、ショウタが付き添いのお姉さんと階段を上がってきた。ペコリとボクに頭を下げ、あとは黙って電車を待っていた。セミの声が一段と大きくなり、電車が近づいてきた。
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by ozawa-sh | 2016-08-03 20:27 | Comments(0)