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おざっちの笛吹き日記

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カヤックでビワイチ 近江舞子~知内浜~彦根

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カヤックで長距離を漕いだのは、かなり以前に朝鮮海峡を横断するイベントに参加したのが最後。流れのある川でスラロームすることに夢中で、静水を漕ぐシーカヤックなんて単調で面白くないと思っていた。しかし朝鮮海峡横断だけは異国の地まで自力で渡る、という点で魅力があったので参加したのだ。それをやり遂げたとき、カヤックの楽しさは川だけではないと認識を新たにした。それでも興味は川にあった。

その後スラロームから遠ざかり、アウトドアと言えば自転車ばかりになってしまった。しかし細身のシーカヤックを手に入れたことで、静水を漕ぐことの面白さに目覚めたのだった。水を切り裂いていく快感、そして歩くより速く自転車より遅いという、そのスピード感に魅力を感じた。なによりも、水上を長距離移動していくことができる楽しさがあった。荷物もたくさん積めるから、キャンプしながら移動すれば楽しいに違いない。身近には琵琶湖があるじゃないか。

そんなことが今回のビワイチの前段としてあったのだろう。しかも今年は「琵琶湖周航の歌 百年」という、またとないタイミング。これはもうやるしかないと思った。

ということで、今日はその第二回目。




(近江舞子から知内浜へ 強風の中を進む)
琵琶湖は甘くはなかった。スタートこそ穏やかな湖面だったが、白髭神社を過ぎたあたりから徐々にうねりが高くなり、強風が吹きつける。岬を越えるとさらにきつくなり、時速3キロほどしか進まなくなった。しかも沖出しの風で、沈すればたちどころに沖へ流されるのは間違いない。
互いに離れないように気をつけながら、Harmattannさんと前後して漕ぎ続けた。空はどんよりと暗く、大自然が我々に試練を与えているかのよう。
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やがて遠くの湖上に小さく鳥居が見えてきた。白髭神社である。波風も少し治まり、鳥居に近づく。鳥居をくぐりながら、旅の安全を祈る。しかしこの後もさらに波風が強くなり、やはりお賽銭を投げておくべきだったと反省(笑)。とにかくわずかでも前進する。

高島の先端をかすめ、第三の歌碑のある今津港へと漕ぐ。10キロほどの距離がなかなか縮まってこない。水上から見る距離の感覚というのは、陸上とはまた違う感じで、水上にはあまり比べるものがないから錯覚する。
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そして今津港に到着。ここからは観光船が出ている。上陸し、早速歌碑を探す。三角の尖った石碑だった。記念撮影し、ここで昼食とした。北海道の友人から送ってもらったジャガイモが美味かった。気温が下がり、寒く感じた。
さてここから6キロほど先の知内浜まで漕がねばならない。波もやや穏やかになり、前方には小さく「竹生島」の影も見えてきた。おお、遂に湖北まで来たか!、という感慨が湧いてくる。
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午後3時頃、知内浜キャンプ場に到着。やれやれ、今日はもう漕がなくてもいいんだ。艇を砂浜に上げ、キャンプの受付へ行くと、定休日と書いてある。しかし、シャワーとトイレは使える状態で助かった。予報では、明日は雨とのことで、建物の軒下をお借りして、テントを張った。翌日は早朝に出発したので、料金を払うことはできなかった。シャワーは300円で3分間だったので、大慌てで体を洗った。でもスッキリした。

昨夜は7時に寝てしまい、起きたら6時だった。なんとなんと、11時間の睡眠!自分でもビックリした(笑)。結局雨は降らず、助かった。
7時15分、数人の釣り人から離れた浜からスタートする。波は静か、東の空が明けてきて対岸の灯が見えている。なんともロマンチックな風景の中を漕ぎ出す気分はとても良い。

まずは海津大崎をかすめ、その向こうのつづらお崎へのコースは、途中から直接竹生島を目指すことに変更した。それは湖面が穏やかだったので、今のうちに距離をかせいでおこうと思ったからだ。いつ何時天気が急変するか分からない。以前にそういうことがあったので、教訓を生かした。
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少し波が出てきたが、少しづつ島影が大きくなり、竹生島に到着。しかしいつもカヤックを上陸する場所には漁船が停泊しておりできず。9時半まで観光船が来ないということなので、その桟橋横の階段に艇をもやって上陸した。
四番の石碑をゲット。しっかりした台のある立派な石碑だった。
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ここでHarmattannさんのスマホのケーブルが切れてしまったということで、買い換えるべく、対岸へと急ぐ。ターゲットは道の駅湖北みずどりステーション。小さな波を切り裂きながら漕ぎまくる。手のひらにマメができていて、当たるところを変えながら我慢して漕いだ。今夜はマメのところにパッチを貼ってやろう。

遂に東岸に到着。最北端の塩津へは、天気の急変を恐れて結局行かなかったが、それでも充分満足だ。危険をおかしてまでやることはないと判断した。
道の駅にケーブルは売ってなく、長浜まで行くことにした。米原のエレベータの試験塔を目標に漕ぐ。湖面は静かで、まるで夢の中を漂っているかのよう。この塔は対岸からも見えていたから、相当高いのだろう。いくつかの小さな岬を越え、やがて長浜城が遠くに見えてきた。あの下あたりに石碑があるはずだ。
そして着岸。そこにあったのは、ガラス?でできた碑。この碑には三番の歌詞が刻まれている。座れるようにもなっている。
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ここで昼食。ボクの得意料理「ニラ玉素麺」の登場だ。Harmattannさんがコンビニへケーブルを買いに行った間に、お湯を沸かし、素麺を茹で、麺つゆとゴマ油を数滴。そしてニラを手でちぎって落とす。最後に卵を割って出来上がり。これが実に美味いんだな。

豊公園を出艇。相変らず静かな湖面を漕ぎ進む。水鳥がたくさん羽根を休めている。次の目的地は彦根なのだが、さらに10キロを漕がねばならない。岸と着かず離れずの距離で進む。近いほうが、進んでいるように思えるが、遠いとなかなか風景が変わらないのだ。しかし相棒のHarmattannさんとはほとんど同じスピード。手作りのカヤックなのに実に性能がいいのには驚いた。
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彦根城が近づき、彦根港の手前、松原水泳場に到着した。今日はここにテントを張らせてもらうことにした。雨が心配だったので、本当は東屋の下がよいのだが、すぐ近くに車道があり、うるさくて夜は寝られそうにないので却下。カンポの宿のすぐ隣あたりに張った。

今日はまたまたHarmattannさんの知り合いの方の接待(笑)。車でお迎えしてもらい、風呂と食事付き。寒かったので、最高の風呂だった。また、なぜか寿司職人だった人が来て、ボクの横で美味しい寿司を握ってくれたのだった。また洗濯までしていただき、冒険旅行のハズが、どんどん「なんちゃって冒険旅行」になるのであった(笑)。

テントに戻り、やることもなく就寝。波音も全くせず、グッスリ寝ることができた。彦根港にある石碑は、明日の朝歩いて見に行こう。さて、明日は近江八幡まで漕ぐ予定である。
by ozawa-sh | 2017-10-17 22:29