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おざっちの笛吹き日記

ozatti.exblog.jp

元職場のOB会

ボクが最初に入社し、配属された職場が、新聞社の「製版部」というところ。「版を作る」ということだ。当時はまだ凸版印刷の時代で、文字は鉛の活字を拾い、写真は亜鉛版を腐食させて作り、それらを台の上に並べて組む、ということをやっていた。今考えれば、実にアナログな作業工程だったのだが、それぞれに職人技が生きる場であった。

で、ボクの職場では写真と見出し、カットなど、文字以外の部分を作っていて、大きな製版用カメラがあり、中に人が入ってフィルムをセットし、レンズ部分にはもうひとりの人が原稿をセットしたり、露光時間・絞りを決め、中と外でマイクを通じて写真を撮る。ここで網分解するのだ。 現像したフィルムを亜鉛版に焼き付け、それを硝酸で腐食し、断裁すれば出来上がりという工程。カラー写真の場合は、さらに複雑な工程を経るが、とてもここで書き切れることはできないほど複雑である。

まあ、そんな日々も、デジタル化には勝てず、あっと言う間にすべてがコンピューターに置き換えられてしまった。ボクは元々デザインをやりたかったから、広告デザインの職場へ配転希望し、仲間は写真部へ行ったり、編集局へ配転されていった。そんな最初の仲間が、いまだに毎年懇親会を行ってきたというわけだ。

今年はボクが幹事役に当たり、場所探しや案内などをやってきた。そして夕べ宴会となったわけである。場所は平安神宮のすぐ近く、岡崎にある「だる満(だるまん)」という、家庭料理の店。二階を借り切って行うことができた。窓ガラスの向こうには、立て替えられた京都会館(ロームシアター京都)が見える。

さて、時間となり全員が集まってくれた。ほとんどの人がボクより年上なので、当日にキャンセルという可能性もあり、予約人数の変更がありうるから心配だった。ビールで乾杯し、美味しい料理に箸が伸びる。この一年のことなどを順番にしゃべってもらうのだが、一番話題に出てくるのが病気のことだ。病気をやらなかった人などというのは、ほんのわずかで、実はボクも現在耳鳴りがしていて治療中。今は良くなったが、先日まで頻尿症だった。

ひととおり話題を終えると、ボクがフルートを吹くことになった。実は、昨年まで座興で手品をやっていた人がいたのだが、今年からもうカンベンしてくれというので、考えたあげく勝手にボクがフルートである(笑)。なので、それまでビールは控えていた。カラオケ付きの童謡のCDを持参し、それをかけて三曲ほど演奏。「え~っ、おざっちはそんな趣味もあったんか!?」と皆に言われてしまった。事前にお店に確認したところ、周囲には民家もないし、階下の店はもう閉まっているから、大きな音でどうぞと言われていた。

座も進み、時間となったので、最後に記念写真を撮り、「よ~お、ポン」と手を打ってお開きとなった。これで幹事役も終わり、ホッとした瞬間だった。

昨年もひとりが亡くなり、年を追うごとに寂しくなっていくOB会。ボクが最初に入社した職場の仲間なので、本当に思い出がたくさんあり、大事にしたい仲間である。この先もずっと集まってほしいと願わずにいられない。
by ozawa-sh | 2015-10-31 10:10