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おざっちの笛吹き日記

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奈良 山の辺の道を走る

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時々無性に走りたくなるのが、奈良「山の辺の道」。文字どうり細い道が山の裾野を貫き、いつ造られたのか分からないほど古い社寺や古墳が点々と続いている。折しも桜が満開を迎える時期なので、思い立って行ってみることにした。日曜日の定演が終わり、緊張の糸が緩んだのか、はたまた春霞のせいなのか、なんとなくうつろな心を引き締めたいという気持ちもあった。

車を転害門駐車場に置き、すべての装備を確認して早速走り始める。この瞬間がなんとも言えず好きだ。東大寺大仏殿の裏を抜け、二月堂を見て春日大社の参道を横切る。
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「新薬師寺へ」の案内板を見て左折したら、白毫寺への上りにかかる。このあたりから「北山の辺の道」が始まる。畑の畦道や谷筋の道などを越えたら、奈良盆地を一望しながら走る小高い道に出る。今日は遠くが霞んでしまっている。やがて奈良に多く見られる溜池の横を走り、いつもと違うコースへと入っていく。竹藪の中を上り、下っていく道だ。しかし、すぐにいつものコースと合流した。弘仁寺をかすめる細い道を越えると、すぐに白川ダムが広がる。小さな公園で少し早い昼食とした。遠くのグラウンドでは高校生がサッカーをやっている。いつもは大人数で来るのだが、今日はひとり。なんだか旅気分だ。

再びMTBにまたがり、天理を目指す。途中の竹藪を抜ける道はボクの好きなセクション。青竹の中を走るのは気持ちがいい。ふと横を見ると、古墳の表示があり、少し寄り道してみた。しかし、小さな丘がいくつかあるだけで、どれが古墳なのかよく分からなかった。
やがて天理教の高い屋根が見え、細いトレールをたどって石上神宮へ。このあたりも本当に美しく、かつ変化に富んでいて何度走っても飽きることがない。
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ここから、ハイキングでよく歩かれる山の辺の道のメインコースとなる。あちこちに直売所があり、色々なものを安く売っている。自転車でなければたくさん買っているところだが、今日はサトイモだけ買うことにした。竹筒に100円を入れ、再び走り出す。
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↑ どさくさにまぎれて、こんな写真も。しかし額に入れるか~!?(笑)

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桜はもちろん、菜の花やモクレン、桃の花などが満開。その向こうには古墳がたくさん見える。中でも大きいのが、景行天皇陵と崇神天皇陵だ。実はこの古墳は誰のものなのかハッキリしていないらしい。昔は反対に命名されていたというのだから。そんな古道をたどりながらさらに南下する。
やがて折り返し地点となる大神(おおみわ)神社に到着。いつもならここで三輪そうめんを食べるのだが、今日はパスした。
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奈良市内へ向かって上つ道を北上する。この道も由来や用途がよく分かっていない古道なのだが、卑弥呼が眠っているとされる「箸墓古墳」を、わずかに避けているところがボクには面白い。古代の政治力のなにかが見える気がするのだ。しかしこの道は、国道と並行しているのに、ほとんど車が通らず、サイクリングにうってつけの道だ。付近には黒塚古墳なども数多く点在する。
途中、「大和(おおやまと)神社」の境内に寄ってみると、白装束に身を固めた神官がおり、今日はこの神社のお祭りなんだと言っていた。この神社は、戦艦大和で亡くなった人たちが祀られているとのこと。
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「市座神社」の参道は桜が満開。自転車を降りてゆっくり拝殿まで歩いてみた。今日はどこも人が少なく、ほんとに静かだ。
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さらに途中で寄ったのが、「帯解(おびとけ)寺」。この寺は安産を祈願する寺として知られているが、ボクが行ったときにも、お腹の大きな女性がお守りを買っていた。
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やがて観光客で賑わうなら町を抜け、猿沢の池にぶつかる。池の向こうに興福寺五重の塔。この塔が見えたら、旅も終わりだ。
何度も走っている山の辺の道だが、今日は新たな発見もあり、楽しいサイクリングだった。
by ozawa-sh | 2015-03-31 22:04