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おざっちの笛吹き日記

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MTBで、日本最高地点の温泉を目指す

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「蓼科」と聞いただけで、なんだかスガスガしくて、ハイソなリゾート地をイメージするが、今回連れて行ってもらったコースは、事前に想像していたのと違い、かなりハードでスケールも大きく、そんな大自然の中のオフロードを十分満喫したツーリングであった。そして宿泊した宿は、カラマツ林に囲まれた蓼科リゾートの真っただ中のすばらしい雰囲気。たまたま知り合いになった近くの方の本格的なログハウスを見せてもらう機会にも恵まれ、自転車だけでなく、温泉や食べ物など、色々なことを楽しんだ旅となった。文章と写真だけで表現するのはもどかしいくらいだが、今回の旅の片りんだけでも記録しておこう。

京都北山倶楽部のKさんは、昔オフロードバイクで全国各地を走りまわっていた方。彼はその後自転車に転向し、王滝100キロのレースでたまたまボクの隣を走っている時に知り合った仲。それ以来彼を中心とするグループに、あちこちのコースへ連れていってもらっている。メインは北山だが、今回は蓼科に別荘地を持つメンバーの一人、ナベちゃんのログハウスを拠点に、八ヶ岳の東側を走り回った。
いや~、人の縁というのは本当に不思議なものであるし、その縁がすばらしい体験をさせてくれることもあるのだと実感。
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初日は八千穂自然園から林道を上っていくコース。いきなり始まった上りが延々と続き、折り返しとなる峠はガスっていて視界が悪かったが、時折見せる雲の切れ目からは、美ヶ原の王ケ獅子の特徴あるガケが見える時もあった。
延々と上ってきた道を、今度は一気に下っていく。もうこれだけで十分堪能したのだが、他のメンバーはもの足りないらしく、八千穂池を周回するトレールへ入っていく。ボクも皆に着いていくことに。白樺の美しい森を巡るコースだった。
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終了後、温泉へ行き、サッパリと汗を流す。なんせ初めて行く温泉だったので、名前の記憶がないのが残念だ。
その後ナベちゃんの別荘へ。到着した別荘の周囲は、深々とした森の中。そこに大きな建物が建っている。当初は山小屋のようなものをイメージしていたボクはビックリであった。そして一歩室内に入ると、木の香りがあたりを満たす。
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高い天井、広い空間、水洗トイレ、シャワー、IHなどの最新の設備、薪ストーブなどなど、想像以上の快適空間が広がっていた。早速買い物してきたものを取り出し、皆で料理を始める。名古屋から途中参加のともちゃんも到着し、7名のにぎやかな宴会となった。広い窓の外は漆黒の闇が広がっていた。
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ボクは二階のロフトに広げたシュラフの中でグッスリ眠ってしまった。
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明けて二日目。外に出てみる。ひんやりとした高原の空気が気持ちいい。皆で朝食を摂り、準備して外に出る。するとそこへ三頭のシベリアンハスキーを散歩させているご夫婦が通りかかった。三頭ともでかくて大人しい。やがてその方が、すぐ近くのログハウスに住んでいると聞き、見に行ってみることにした。なんとログを作る仕事をしているのだという。そして歩いて10分。目の前に現れたすばらしいログハウス。
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なんでもカナダから輸入した建物なのだとか。早速室内を見せてもらうことに。
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ボクは一時このログハウスというものに、非常に興味があった。しかし、今回この蓼科で見たログは、衝撃的なすばらしさであった。直径50センチはあろうかという丸太を積み上げたその構造は、まさに芸術品。そして見せてもらった室内も、もうヨダレの出そうな素晴らしさだった。
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今日のコースへ出発。今日は、「本沢温泉」へ行くという。なんでも「日本最高所にある温泉(2150m)」ということで、それを自転車で上ろうというわけだ。場所的には八ヶ岳の「硫黄岳」の裏手にあるらしい。昨日の上りだけでも、もうお腹一杯という感じだったのに、今日はさらにそれを上回る高度を上るのだとか。果たして初心者のともちゃんは大丈夫か?おっと、その前におざっちは大丈夫か?
標高1500mの林道のスペースに車を置き、バックにタオルを入れて漕ぎ出す。ここもいきなり上りが始まる。その上りも「容赦なし」の上りで、脚を休ませるところがまったくない。ハンドルにへばりつくようにして漕ぎ進む。両側はブナやシラカバの美しい森。ハイカーも時々出会う。
斜度が段々きつくなり、遂に押しとなる。しかし初心者のハズのともちゃんは自転車から降りずにフラフラしながらでも漕いでいく。若い三人は、とっくの昔に先へ行ってしまい、Kさん、Nさんとボクの三人は乗ったり押したりを繰り返しながら前進する。延々と続く上り。そして止まればすかさずアブが来て刺す。なので、休憩していても、ジッとしていられない。

さらに上り、沢を渡り、アブに刺されながら前進する。ゴールの温泉はまだか!?頭上の雲が近く見える。そして抜けるような青空がまぶしい。
やがて少し傾斜が緩やかになり、ゆるくアップダウンする快適なトレールを進んで行き、最後の上りをクリアし、遂に本沢温泉に到着した。小屋と言っても宿泊できるくらい大きなロッジで入浴料を払い、自転車を置いて歩いて温泉へと向かった。そこは大きな谷になっており、硫黄の臭いが鼻を衝く。斜面を下ったところに3×4mくらいの温泉があった。もちろん脱衣場などなく。ともちゃんはかねて用意の水着に着替える。我らオジサンは、そんなともちゃんの目の前で、アブと闘いながらジャージを脱いで真っ裸になった。あまりのピーカンの天気のためなのか、はたまた互いに励ましあってここまで上ってきた戦士としての意識のためなのか、なんだか全然恥ずかしい気持ちが沸いてこなかった。
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全員が湯船に入り、かねて用意のビールを開ける。
「カシュ!」「カシュ!」
いや~、ここが日本最高地点の温泉なのか~。。。時々鼻を衝く硫黄臭が、バカに香しく感じる。
この温泉は結構有名になりつつあるようで、順番を待って入ることがほとんどらしいのだが、今日は我々7名だけだったので、ゆっくり浸ることができた。温泉の中はアブもたかりようがない。(おざっちはともちゃんにたかってましたが、、、)
再びアブと闘いながらジャージを着る。ロッジまで戻り、置いてあったMTBにまたがり、元のところまでダウンヒル。これが苦労して上ってきた道のハズなのに、すばらしいトレールで、我々を楽しませる。
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ゴールし、近場の温泉へ。またまた温泉である。ゆっくり浸かりながら、楽し過ぎた二日間を思い返していた。
by ozawa-sh | 2012-07-17 23:18